第1回文化セミナー
「大人への児童文化の招待」
◆日時/1992年6月14日(日)
〔基調講演〕 10時
〔各分科会〕 13時30分
◆会場/小樽市民会館
第1分科会 「児童文学における家族の意味」
講師:河合隼雄
1928(昭和3)年生まれ。63歳。奈良市在住。
現在、京都大学教授、国際日本文化センター所長・教授。
著書に「昔話と日本人の心」「生と死の接点」「家族関係を考える」「影の現象学」他、多数がある。
ユング心理学の第一人者でもあり、児童文学の造詣も深く、現代における人間の課題を豊富な世界観をもって考察している。
座長:工藤左千夫
1951(昭和26)年生まれ。40歳。小樽市在住。
現在、絵本児童文学研究家。絵本・児童文学研究センター所長。
《著書》「ファンタジー文学の世界へ」「絵本の世界が語りかけるもの」
第2分科会 「北の風土とファンタジー」
講師:神沢利子
1924(大正13)年生まれ。67歳。東京都在住。
現在、児童文学作家。
《著書》「くまのこウーフ」「銀の炎の国」「ふらいぱんじいさん」その他多数
※日本を代表するファンタジー作家として多くの作品を発表。ものごとの本質をとらえようとする姿勢は変わらない。
座長:松居 友
1953(昭和28)年生まれ。39歳。千歳市在住。
現在、北の森舎 絵本児童文学作家。
《著書》「私の絵本体験」「昔話の死と誕生」「鹿の谷のウタラとイララ」
※アイヌユーカラの世界と児童文化の共通性を探求。「私の絵本体験」は児童文化の心の入門書として最適だろう。
第3分科会 「たかが文学、されど子ども」
講師:佐野洋子
1938(昭和13)年生まれ。53歳。東京都在住。
現在、絵本・児童文学作家、エッセイスト。
《著書》「おじさんのかさ」「100万回生きた猫」「私はそうはおもわない」その他多数
※歯切れのよい展開は他の追従を許さない。「100万回生きた猫」は、多くの男性を児童文化の世界に誘う。
座長:加藤多一
1934(昭和9)年生まれ。57歳。稚内市在住。
現在、稚内北星短期大学教授、児童文学作家。
《著書》「ふぶきの家のノンコ」「草原」その他多数。
※北海道を代表する児童文学作家であり、活動範囲も広い。
第4分科会 「ノンフィクションノベル―マンモスの悲劇―」
講師:たかし よいち
1928(昭和3)年生まれ。63歳。久留米市在住。
現在、信愛女学院短期大学教授。児童文学作家。
《著書》「マンモスの悲劇」「竜のいる島」「椋鳩十の世界」その他多数。
※考古学見地からの作品は独断場である。また椋鳩十研究においても優れている。来年度の道内の小学校教科書(東京書籍)4年生に作品が使用される。
座長:柴村紀代
1946(昭和21)年生まれ。46歳。札幌市在住。
現在、児童文学作家。
《著書》「若きゴメ達の出発」「やませ吹くジロの島」「サクランボッコの夢」その他多数。
※道内を代表する女性作家。様々な大学の講師経験も豊か。