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第5回文化セミナー

「絵本の可能性」

◆日時/2000年11月12日(日)
   〔開場〕午前11時
   〔開演〕正午~午後4時30分

 ●講演
    Ⅰ「絵本の中の音」     河合隼雄 氏
    Ⅱ「いのちと共鳴する絵本」 柳田邦男 氏
    Ⅲ「絵本がめざめるとき」  松居 直 氏

 ●鼎談
   「絵本の可能性」     河合隼雄 氏/柳田邦男 氏/松居 直 氏
       コーディネーター 斎藤惇夫 氏

◆会場/小樽市民会館

河合隼雄 氏

講演:「絵本の中の音」
鼎談:「絵本の可能性」
(かわい はやお)臨床心理学者、1928年生まれ。
京都大学数学科を卒業後、高校の数学教師となり、同時に 臨床心理学を学びはじめる。天理大学勤務後、アメリカ、スイスに留学し、日本人で初のユング派分析家の資格を取得、帰国後はユングの考えの普及につとめるとともに、臨床心理学の発展に力をつくす。また、欧米と異なる日本人の心性を考えるために、日本の神話や宗教を研究、海外でも研究を続けている。京都大学教授を経て、現在は国際日本文化研究センター所長、『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞を受賞。主な著作は『河合隼雄著作集』(全13巻)にまとめられている。
(『現代日本文化論6』岩波書店より)

松居 直 氏

講演:「絵本がめざめるとき」
鼎談:「絵本の可能性」
(まつい ただし)1926年生まれ。児童文学作家、評論家、絵本制作者。
京都生まれ、同志社大学法学部卒業。1951年、福音館書店に入社し、56年(昭和31)、月刊絵本「こどものとも」を創刊、編集長として、戦後日本における草創期の創作絵本の出版に力を注ぐ。多くの絵本作家、画家を育てた。赤羽末吉、長新太、瀬川康男、中川李枝子など、いずれも編集者としての松居直に見い出され、育てられたといってよい。自らも絵本の創作、再話を試み、その代表作に『やまのきかんしゃ』(1958 太田忠絵)『ぴかくんめをまわす』(66 長新太絵)『だいくとおにろく』(67 赤羽末吉絵)などがある。また、理論、批評の面でも戦後日本の児童文学界(とくに絵本の分野で)にほとんど革命的なといえる一石を投じた。石井桃子らとの共著『子どもと文学』(60)がそれである。個人著には『絵本とは何か』(66)、『絵本を見る眼』(78)など。福音館書店元会長。BIB国際委員など国際的な要職も兼ねている。
(『児童文学事典』東京書籍より)

柳田邦男 氏

講演:「いのちと共鳴する絵本」
鼎談:「絵本の可能性」
(やなぎだ くにお)ノンフィクション作家、1936年生まれ。
東京大学経済学部卒業後、NHKに入社。放送記者として、巨大事故、災害の報道にたずさわる。1966年の全日空機事故を取材し、『マッハの恐怖』をまとめ、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞、74年NHKを退社、作家活動に入る。『ガン回廊の朝』で講談社ノンフィクション賞、『撃墜』でボーン上田国際記者賞、次男との死別体験をもとにした『犠牲』で菊池寛賞を受賞している。医療、災害、事故、戦争を対象にしながら、その底にある生命のまなざしが現代への鋭い批評となってあらわれている。92年より『同時代ノンフィクション選集』(全12巻)を編集、日本の戦後のノンフィクションの流れを集成するとともに、それを総括的に論じた『人間の事実』を刊行。
(『現代日本文化論6』岩波書店より)

斎藤惇夫 氏

講演:「絵本の中の音」
コーディネーター
(さいとう あつお)1940年6月20日、新潟県新潟市に生まれる。小学校から高校卒業まで長岡市でくらし、その後立教大学法学部卒業。電気会社に勤めるが、スミス著『児童文学論』、アザール著『本・子ども・大人』を読み、好きな児童文学に専心しようと決意、福音館書店に入社。本年7月退社。4年間温めて書きあげた『グリックの冒険』で第4回日本児童文学者協会新人賞を受賞。
<主な作品>『グリックの冒険』(牧書店・昭45、のち岩波書店) 『冒険者たち』 (同・昭47、のち岩波書店) 『ガンバとカワウソの冒険』(岩波書店・昭57)
(『日本児童文学作家事典』日本児童文学者協会 編)


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